考古用語辞典 A-Words

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石造彩色天王坐像(2躯) 2007年11月08日(木)更新

石造彩色天王坐像(2躯)

【和:せきぞうさいしきてんのうざぞう
【中:Shi zhao cai se tian wang zuo xiang
隋・唐・五代|石器・ガラス>石造彩色天王坐像(2躯)

唐・9世紀
大理石
1987年法門寺塔基地宮の(1)後室・(2)中室出土
(1)総高54.5<台座>幅31.0、奥行23.0cm
(2)総高56.0<台座>幅31.5,奥行21.5cm
(1)44.6kg (2)47.8kg
法門寺博物館蔵蔵
 法門寺地宮には、中室の北東隅と北西隅および後室の北東隅と北西隅の4箇所に天王坐像が安置されていた。「衣物帳」には、これらの石彫について記載されていないが、安置状況などからすれば、咸通15年(874)の舎利埋納にあわせて制作されたとおぼしく、都合4体を数えることから、仏法ないし舎利を守護する四天王にあたると見られる。(1)が後室北東隅、(2)が中室北東隅に置かれ、配置の方角をもとに推定すると、(1)が多聞天あるいは持国天、(2)が持国天あるいは増長天に該当しよう。(1)は、右手に長い柄の斧を持って岩座に坐り、左斜めに方を見遣る。(2)は、右手に持った剣を横たえ、左足下に邪鬼を据えながら岩庫に坐り、前方へ顔を向ける。それぞれのポーズに変化をもたせた巧みな構図となっている。両像とも、白大理石の一材から全体が丸彫りされ、表面には、黄白色の下地を塗った上に緑・朱・黒色などの彩色がほどこされる。肢体には、分厚い筋肉の存在を思わせる豊かな肉付きが見られ、目を見開いて口を引き結んだ顔貌とともに、全体に力感がみなぎっている。細部の表現は省略傾向にあるものの、唐代晩期の造形感覚が凝縮された、この種の像の稀少な遺例のひとつである。
なお、(1)の台座背面には、如来と菩薩の小坐像が線刻されているが、配置や大きさは任意になされ、それらの意味するところは不明である。出所:「唐皇帝からの贈り物」

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