考古用語辞典 A-Words

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銀鍍金人物禽獣文高脚香入れ 2007年11月09日(金)更新

銀鍍金人物禽獣文高脚香入れ

【和:ぎんときんじんぶつきんじゅうもんこうきゃくこういれ
【中:Yin du jin ren wu qin shou wen gao jiao xiang he
隋・唐・五代|金銀・玉器>銀鍍金人物禽獣文高脚香入れ

唐・9世紀
鍛造
1987年法門寺塔基地宮後室出土
総高24.4cm、口径13.0cm、蓋径14.0cm、圏足径13.6cm、深11.4cm、902.5g
法門寺博物館蔵
 大きさ、形式ともによく似た器がもう1口あり、「衣物帳」に「香寶(空)子二枚」と記された器物のいずれかに該当する可能性が高い。これを茶具の一種とみて、当時、喫茶に使用していた塩を貯蔵しておく容器ととらえる見解もあるが、敦煙壁画などには、仏前の机上に同様の器物がしばしば描かれていることや、「香宝」という名称に即してみると、仏前などで焚く香を入れる容器と考えるのが穏当であろう。
上面がこんもりと盛り上がって宝珠形の鈕が鑞付された蓋と、下部に蓮弁がかたどられた円筒形の器体、および裾広がりの丈高い圏足からなる。器体と圏足は鑞付になるようである。器体側面は、四店凹溝によって四つの区画に分けられ、各区画の枠内に、琴を弾く人物と双鶴、蛇に珠状の餌を差し出す人物、笙を吹く人物と羽ばた鳳凰、縦笛を奏する者と杯を差し出す者との一対の人物が線刻されている。神仙あるいは何らかの故事を示したものであろう。^器側の余白や蓋の表面には、魚々子文を地として唐草文が刻出され、また、蓋の甲盛りに4頭の獅子、蓮葉に見立てられた圏足に鯰や各種の鳥が刻み出されるなど、器表全体が多彩な文様で埋め尽くされたうえ、文様やその縁取りに鍍金がほどこされている。
唐代晩期の銀器の通例にもれず、文様の形態や鏨使いには、粗略な要素もうかがわれるが、変化に富んだ華やかな意匠や、当時の器物にあっては比較的厚い作りになることなど、皇室の奉納品にふさわしい一器といえよう。出所:「唐皇帝からの贈り物」

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