考古用語辞典 A-Words

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銀蓮弁文六曲香炉 2007年11月10日(土)更新

銀蓮弁文六曲香炉

【和:ぎんれんべんもんろっきょくこうろ
【中:Yin lian ban wen liu qu xiang lu
隋・唐・五代|金銀・玉器>銀蓮弁文六曲香炉

唐,9世紀
鍛造
1987年法門寺塔基地宮中室出土
総高56.0cm、口径20.5cm、深16.7cm、3920g
法門寺博物館蔵
 法門寺地宮からは、各種の香炉が都合6件発見されている。3件が銀製鍍金、1件(本器)が銀製、1件が青銅製で、これらは机などの上に置く、いわゆる据香炉の類。もう1件が銀製の柄香炉である。本器は、これらの中で最も大きく、これまで知られている唐代の銀製香炉としても最大級の遺例である。12枚の銀の薄板を鋲でつなげ、六曲の円錐台状とした炉の上に、半球形の蓋がかぶさる。炉の口縁には3段になる六花形の鍔状部が鋲留めされ、それに対応するように、蓋の下端にも3段の張り出しがもうけられている。蓋には、頂部が大きく突出する蓮蕾形の鈕を接合し、蓮弁文と細かな透かしをもうける。炉の内底も銀の薄板で作られ、炉の側面下部に開けられた格狭間形の透かしの少し上方の位置に側部が鋲留めされ、裏側には、補強のため、帯状の青銅版が十文字に貼付されている。炉の側面に付けられた一対の把手は、やや華奢ながら、唐代の定式になる。
本器を茶の湯を沸かすための風炉と解釈するむきがあるが、発見時に、「大銀香爐(炉)口口口口臣楊復恭」と墨書された紙片が蓋に貼り付けられていたこと、また、透かしの入った蓋を備える形式などからすると、「衣物帳」に「銀白成香爐一枚」と記された楊復恭寄進の香炉に同定するのが妥当であろう。
楊復恭は、当時、枢密使(皇帝の側で文書等をつかさどる重職)の地位にあって権力をふるった宦官であり、法門幸地宮造営に際しても、いくつかの奉納品を喜捨するなど、重要な役割を果たした人物である。出所:「唐皇帝からの贈り物」

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