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銀柄香炉 2007年11月10日(土)更新
唐・咸通13年(872)銘
鍛造
1987年法門寺塔基地宮後室出土
長45.5cm、高8.6cm、炉口径11.1cm、415g
法門寺博物館蔵
銀柄香炉は、長い柄を手にしながら香を焚くのに使用する柄香炉である。柄香炉は、中国では、六朝時代(220~589年)以来、仏教儀礼を中心に頻繁に使用されたらしく、今日でも数多くの作例が遺存し、絵画や彫刻に表現された例も相当数にのぼる。本器は、法門寺地宮後室に納置されていた銀製品(鍛造)で、「衣物帳」に、尼僧の明粛が奉納した「手爐(炉)一枚重十二両(両)ニ分」とあるものに該当する。柄の裏側に刻出された銘文に、咸通13年(872)、文思院(宮中用の金銀器制作所)で制作された旨、記されていることからすると、本器は、もともと宮廷用に作られ、それが何らかの事情で尼僧の明粛の手に渡り、その後、法門寺地宮へ寄進さたものと推測される。銘文中の「打造」以下は、文思院の担当者(二人)の位階と名を記したものと考えられ、当時の金銀器制作の実態を示唆している。薄造で比較的脆弱なことから、一部に変形が見られるが、銀製の柄香炉の稀な遺品である。出所:「唐皇帝からの贈り物」
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