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銀蓮華 2007年11月12日(月)更新
唐・9世紀
鍛造
1987年法門寺塔基地宮後室出土
総高37.0cm、最大幅22.2cm、座径20.5cm、539g
法門寺博物館蔵
法門寺地宮後室から発見された2基の銀製蓮華の内の1基。細長い銀棒を渦巻状に曲げて基座とし、上方へ向けた端部に小さな蕾形の受け口を作り、そこに、湾曲させた3本の茎と、まっすぐ上方へ伸びる主茎を挿入する。主茎の頂には、8弁の蓮萼を挿し、その事に3重の蓮弁(各6枚)と蓮托を鋲留めして、全体で大ぶりの蓮華をかたどる。脇に伸びた3本の茎の先端には、蓮葉と蓮蕾を取り付けている。蓮弁や蓮葉は、薄い銀板を切り取り、微妙に湾曲させたり、細かな線刻をほどこしたりしながら、本物の蓮華が銀色に塗られたかと思わせるほど、実際の蓮華の形状を巧みに写しとっている。唐代盛期の生動感に富んだ作風とは異質なものの、事物に対する確かな観察眼に裏付けられた、写実精神の発露を認めることができよう。
「衣物帳」には、本品に該当する記事が見当たらないが、材質や技法には、法門寺地宮の他の銀製品と共通性が認められ、地官が造営された時点(咸通15年く874〉)から、それほどさかのぼらない時期に、舎利を供養するため、制作されたと思われる。出所:「唐皇帝からの贈り物」
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