考古用語辞典 A-Words

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白磁奩 2007年11月16日(金)更新

白磁奩

【和:はくじれん
【中:Bai ci lian
隋・唐・五代|陶磁器>白磁奩

唐・8~9世紀
1989年西安市東郊国棉五廠住宅小区M65墓出土
口径18.0cm、高18.0cm、重1119.8g
陝西省考古研究所
 漢代に流行した青銅器の蓋付き容器「奩」を写した白磁の有蓋三足容器である。「奩」は化粧具などを入れる容器であるが、三足の付くこの器形は「奩」ではなく酒容器の「温酒尊」を模したものとする見方もある。身の側面は垂直に立ち上がり、口縁はわずかに外反する。足の付け根付近では小さな段が見られ、単調な器形に変化を与えている。底部に貼り付けられた三足は、三日月形で外側に屈曲し、一見獣足風であるが、足指や爪などの表現は見られない。蓋は、皿を伏せたような形態で、高台のようなリング状のつまみが付く。つまみの上端以外は総釉で、上下逆にして焼成したと思われる。身は、底部外面以外は総釉で、底部には径10cm程のリング状の目跡が残る。釉はやや黄色味を帯びた透明釉で、全体に細かい貫入が見られる。白色の胎土は緻密で締っているが、焼成温度はあまり高くないようである。墳墓からの出土品であり、実用器ではなく、埋葬用の明器であろう。
類品はほとんど知られておらず、生産窯も明らかでない。年代的には唐代中期(8世紀)から唐代晩期(9世紀)の間と思われるが、細かな位置づけは不明である。出所:「唐皇帝からの贈り物」

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