考古用語辞典 A-Words

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白地黒花花文盒 2007年11月16日(金)更新

白地黒花花文盒

【和:しろじこっかかもんごう
【中:Bai di hei hua hua wen he
隋・唐・五代|陶磁器>白地黒花花文盒

唐・9世紀
耀州窯
1986年銅川市黄堡鎮耀州窯址出土
口径3.6cm、底径2.5cm、高3.9cm、重50g
陝西省考古研究所蔵
 薬や化粧品、小物などを入れたとされる小形の蓋付き容器である。素地は淡い灰色で、蓋外面と身側面にのみ白化粧土を掛け、その上に黒釉で花文や葉文を粗く描いている。黒釉は内底部と蓋裏面にもほどこされ、黒釉以外の部分は無釉である。窯址出土品であり、蓋と身は別個体のものが合わせられている。
耀州窯は、宋代の華北を代表する青磁窯として著名であるが、その開窯は唐代に遡る。ただし、北宋以前には耀州という地名が無かったことから、現在の中国では唐・五代の輝州窯を窯址の所在地の地名をとって黄堡鎮窯という名称で呼んでいる。唐代燿州窯では、白地黒花磁のほかに、三彩、青磁、白釉、黒釉、褐釉、茶葉末釉、白釉緑彩、白釉褐彩、花釉など多彩な製品が生産された。製品の質は当時名窯として知られていた越州窯や定窯に比べると見劣りするが、唐の都長安(現西安)の北方約80kmという地の利を活かして、製品を盛んに都に供給していたことが、西安市内の出土品などから明らかである。法門寺出土の秘色青磁と同じく唐代晩期(9世紀頃)の製品であるが、質的な差は歴然としており、受容階層の違いを明確に示していると考えてよかろう。出所:「唐皇帝からの贈り物」

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