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黒釉瓶 2007年11月17日(土)更新
唐・9世紀
燿州窯
1986年銅川市黄堡鎮燿州窯址出土
口径9.5cm、底径9.0cm、総高19.2cm、重1086.2g
陝西省考古研究所蔵
形態的には長胴瓶といってもよい器形であるが、口縁の上に灯明皿をのせる灯台と考えられている。細く伸びた胴が肩の部分で緩やかに膨らみ、その上喇叭形の頸部と内すぼまりの口縁が続く。胴下半はスカート状に広がり底は平底である。胴下部から底部にかけての肉厚が大きく、立てたときの安定を考えて、下部に重量が集中するように工夫されている。口縁部分と底部は露胎で部分的に赤褐色の火色があらわれている。胎土は灰色で、硬く焼き締ってはいるが気泡や黒色粒子などの不純物を多く含み、精製されているとは言い難い。胴部と内部にかけられた黒釉は比較的厚く、光沢をもった潤いがある。体部にはロクロ目がはっきり残り、器形には歪みがあるなど全体的に粗さが目立つことから、無造作に大量生産されたものと思われる。
唐代耀州窯では、黒釉や白釉磁器が盛んに作られたが、かなり手のこんだ精緻なものから、本作品のような粗製品に近いものまで、製品の質にはかなり幅があったようである。出所:「唐皇帝からの贈り物」
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