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黒釉硯 2007年11月18日(日)更新
唐・9世紀
耀州窯
1985年銅川市黄堡鎮耀州窯址出土
長15.2cm、幅12.5cm、高5.7cm、重998.5g
陝西省考古研究所蔵
長方形の台座に、「風」字形の硯面を彫り込んだ磁製の硯である。シンプルな構造であるが、前側に2本の短い脚を付けて持ち上げることによって墨の流下を防ぐなど各所に工夫が見られる。側面の各辺には長方形の窓が2+回ずつ彫り窪められ、単純な器形に変化を与えている。上面奥には、3筒所の長方形の貼り付け痕跡が認められるが、恐らく筆架が取り付けられていたのであろう。硯面にはやや緑がかる白釉がほどこされ、それ以外の部分には黒釉が掛けられる。裏面は無袖で、部分的に赤褐色の火色が現われている。胎土は、黒色粒子や気泡を多く含むやや粗い灰色土で、唐代耀州窯に通有のものである。釉面には使用痕跡と思われる研磨痕があり、焼き損じ品を窯の工人などが利用したものと思われる。
陶磁製硯は三国から唐代に流行したものであるが、一般的には円面硯が主流であり、角形の硯は比較的類例が少ない。出所:「唐皇帝からの贈り物」
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