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銀鍍金鴛鴦団華文四花形双耳盆 2007年11月24日(土)更新
【和:ぎんときんえんおうだんかもんしかがたそうじぼん】 |
【中:Yin du jin yuan yang tuan hua wen si hua xing shuang er pen】 |
隋・唐・五代|金銀・玉器>銀鍍金鴛鴦団華文四花形双耳盆
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唐・9世紀
鍛造
1987年法門寺塔基地宮後室出土
高14.5cm、口径46.0cm、深12.3cm、
圏足径28.5cm、重6265g
法門寺博物館蔵
法門寺地宮後室から発見された大形の容器で、盆というより、むしろ小児用の湯浴み盥などに近く、浴仏(4月8日の釈迦生誕日に、仏像に湯などを注いで祝う儀式)に使用された潅仏盤の類かと推測されている。「衣物帳」には、「銀金花盆一口重一百五十五兩(両)」(両=約40g)とあり、「衣物帳」に記載された奉納品の中では、最重量の部類に属す。厚手の銀板を打ち出して四花形に成形し、圏足を鑞付したうえ、側面に鋪首(獣面)を鋲留めして鐶を付け、そこに弓形の把手を通す。内底の円形部に、2羽の鴛鴦が睦みあう様子を、石榴の交じる団華とともに立体的に表わし、器の内外側には、団華の中で羽を広げる鴛鴦を四側面の中に一対ずつ表現し、さらに口縁内側と圏足外面に花文をめぐらす。器体が厚造になることに呼応して、鏨使いも鋭利かつ緻密になされ、文様表現は躍動感に富み、唐代晩期の金銀器の遺例中、出色の仕上がりを見せる。
底裏の銘文に見える「浙西」は、当時の行政区画のひとつであった浙西道(現在の江蘇省鎮江市周辺)をさし、本器の制作地を示すと考えられている。唐代後半期には、この一帯の江南地方が王朝の経済基盤を支えるようになり、それと関連して、金銀器生産も江南が主流となっていった。皇室の恩賜品とみなされる本器に、このような銘が刻出されていることにも、当時の情勢の一端が反映されていよう。出所:「唐皇帝からの贈り物」
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