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草書文向帖巻2007年12月05日(水)更新

草書文向帖巻

【和:そうしょぶんこうじょうかん
【中:Cao shu wen xiang tie juan
宋・遼・金・元|彫刻・書画>草書文向帖巻

魏了翁筆
紙本墨書
縦28.4 横16.6
南宋・宝慶元年(1225)
沈同樾氏等寄贈
上海博物館
 魏了翁は、蒲江(四川省)の人。字は華夫。謚は文靖。号は白鶴山人。南宋の淳熙五年(1178)に生まれ、嘉熙元年(1237)に歿した。慶元五年(1199)の進士。官は初め校書郎、嘉定府知。のち端明殿学士同僉書枢密院事を以て京湖軍馬を監視し、嘉熙元年(1237)福州福建の安撫使となり、歿後、太師を贈られた。室を白鶴山下に築き、子弟に教授し、学者に鶴山先生と称せられ、著に『鶴山集』等がある。巻頭「文向来」一句の前が欠落しているが、書き出しの二字を取り、文向帖と称される魏了翁の手札である。尖筆でしばしば文中の文字を塗改し、行間に註を挟み、鋒利でよどみのない流麗な筆致は、魏了翁の健筆ぶりを窺わせる。
帖中に「今了翁忽辞工侍」の語があることから、宝慶元年(1225)、魏了翁四十八歳の書写であることがわかる。当時は宋理宗が新たに立ち、丞相の史輌遠が専権をふるっていた。 魏了翁は、洪苔要、真徳秀らと斉王越拡の無罪を主張したが、容れられず、宝慶元年に工部侍郎を辞任した。当時の史実に関係のある内容が多く、史料としてもきわめて貴重である。
牟応竜、趙孟頫、襲(王+肅)、顧文琛、陳復、劉致、白珽らの跋がある。元時代に魏了翁の孫にあたる魏華発の家にあり、清初に陳定、王掞の収蔵するところとなり、同治の頃、呉雲から蘇州顧氏過雲楼(顧文彬)に帰した。一九五九年、顧氏の後裔沈同樾氏により、上海博物館に寄贈された。出所:「上海博物館展」

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