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琴高乗鯉図 2007年12月08日(土)更新

琴高乗鯉図

【和:きんこうじょうリず
【中:Qin gao cheng li tu
明・清|彫刻・書画>琴高乗鯉図

李在筆
絹本著色
縦164.2 横95.5
明・15世紀
上海博物館
 李在は字を以政といい、莆田(福建省)の人である。山水画、人物画をよくし、宣徳年間(1426~35)に宮廷の画院画家となった。新派を代表する画家の一人であり、日本においては人入明した雪舟が師法した画家としても知られる。山本画の細潤なものは郭熙を師法し、豪放なものは馬遠、夏珪を師法したといわれ、また人物画は梁楷、貫休、夏珪、劉松年を師法したという評も伝えられる。しかし、李在の画風はもっと多様性に富んでいたと思われ、例えば山水は李成・郭熙派山水画、特に元時代の李成・郭熙派山水画水画、李唐、馬遠、夏珪などの南宋院体山水画のみならず米法山水画なども学び、それらを一通り描き分けることの出来る画技の幅広さをもっていたようである。
琴高乗鯉図は李在の代表作の一つである。図上に「李在」の落款と画院画家であることを示す「金門画士之章」朱方印がある。「琴高乗鯉」とは中国戦国時代の逸話。琴高は戦国時代の趙の国の人で琴をよくし、宋の国の康王に仕え仙術をおこなった。冀州(河北・山西省)、碭郡(河南・山東・江蘇省)一帯を遊歴すること二百年余にわたった。ある日、龍の子を取るといって碭水(江蘇省碭山の南)に潜り、弟子たちには潔斎して祠を設け水辺で待つように約束したが、果たして赤い鯉に乗った琴高が現れて祠の中に坐したのである。万人に及ぶ人が見物に来たが、一月余り経つと琴高はまた水の中に入って去ったという(『名列仙伝』の「琴高」の条)。また、別の書には鯉に乗って昇天したともいう。本図は琴高が正に水中より鯉に乗って現れた劇的な場面を描いたものである。李在は、この緊張した瞬間を秀逸な筆墨により実に巧みに描写している。特に、その人物表現や神異を示す激しい風と波の表現にはすぐれたものがある。また、大きく揺れ動く樹樹の枝、激しく逆巻く川水の波、驚き緊張する弟子、波打つような遠山など、全てのものの動きが最も重要な存在である琴高に向かうという周到な構成は画院画家としての李在の力量を充分に示すものといえる。出所:「上海博物館展」

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