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行書寿華君序軸 2007年12月08日(土)更新

行書寿華君序軸

【和:ぎょうしょじゅかくんじょじく
【中:Xing shu shou hua jun xu zhou
明・清|彫刻・書画>行書寿華君序軸

文徴明筆
絹本墨書
縦169.0 横96.4
明・十六世紀
上海博物館
 文徴明、原名は璧、字は徴明。のち字をもって行なわれ、さらに徴仲と字し、衡山、停雲生などと号した。長洲(江蘇省蘇州)の人。明の成化六年(1470)に生まれ、嘉靖三十八年(1559)に歿した。科挙に失敗を繰り返し、嘉靖二年(1523)、五十四歳の時推薦されて翰林院待詔を授かり『武宗実録』の編纂にあたったが、嘉靖五年(1526)、五十七歳で致仕して、郷里に玉磬山房を築き、隠遁生活を送った。詩文書画を能くし、蔵書に富み名跡を収蔵して、家刻の集帖に「停雲館法帖」がある。当時芸苑の領袖として、文派は一世を風靡するようになり、後世にも大きな影響を与えた。
華雲が父の華時禎のために宴を設け、齢七十の誕辰を祝福した際の序を、文徴明が書いた一幅である。方格朱絲欄を施した絹本を用いて、款記の後に「文徴明印」白文方印、「徴仲」朱文方印、「玉磬山房」白文長方印を鈐している。紀年はないが、款記に「前翰林院待詔…」と記し、文中に華時禎七十の誕辰を辛卯秋とすることから、嘉靖十年(1531)、文徴明六十二歳前後の書写であると推測される。なお文徴明には嘉靖二年(1523)、林俊の撰になる「明待選国子生華君時禎配張孺人墓誌銘」の書写もある。
文徴明は文を呉寛に受け、書を李応禎に、画を沈周に学んだ。楷書は鐘繇、二王を宗とし、晩年に至っても蠅頭の小楷を善くした。行書は集王聖教序や蘇軾、黄庭堅、米芾を倣ったと伝えられる。千字文だけでも相当な本数を書写しており、終生絶ゆまぬ修練を通して、精絶した技法の保持に努めたのであろう。本作は復古主義を標榜した、遒媚で整斉な書風で、終始謹厳な法度を保守し、精熟した書技の確かさを見せる作となっている。出所:「上海博物館展」

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