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草書自書詩巻 2007年12月09日(日)更新

草書自書詩巻

【和:そうしょじしょしかん
【中:Cao shu zi shu shi juan
明・清|彫刻・書画>草書自書詩巻

王寵筆
彩箋墨書
縦23.6 横320.6
明・正徳十二年(1518)
上海博物館
 周囲に紋様を描いた彩箋三紙を継ぎ、王寵が懋涵のために、自作の詩十二首を行草書で揮毫した書巻である。騎縫には「辛夷館印」朱文長方印があり、款記の後には「王寵之印」白文方印、「王履仁印」白文方印を鈐す。正徳十三年(1518)、王寵二十五歳の手跡である。
王寵、字は履仁、のちに履吉と称し、雅宜山人と号した。呉県(江蘇省蘇州)の人。明の弘治七年(1494)に生まれ、諸生で太学に入ったが、科挙にはついに及第せず、試験に失敗するごとに却って名声が高まったという。洞庭に三年、のち石湖に読書すること二十年に及び、病弱で嘉靖十二年(1533)、四十歳で歿した。同郷の文徴明、唐寅らと親炎し、文徴明が墓誌銘を書いている。書は晋唐を学び、文徴明、祝允明と名をひとしくした。楷書は虞世南、智永を摸し、行書は三献之を法とし、祝允明の声価を奪ったと伝えられる。
骨格は強調せず、結体は疎で、古樸な姿態をとる文字を、処々に鋒先を露にしながらも、あくまでも穏やかな筆勢で書き進める早年の作である。当時、文徴明は芸苑に重きをなしたが、文派の中に身を置きながらその影響を受けず、婉麗で古意を合んだ書を遺した王寵は、明代中期の時尚を代表する文人の一人に挙げられる。なお本作の後には、正徳十四年(1519)、王寵二十六歳の筆になる自作詩七首が楷書で書写されている。巻後に文彭、文嘉、朱日藩、黄姫水の跋があり、かつて顧孝正、安紹芳の収蔵するところとなった。出所:「上海博物館展」

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