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行草書李白詩蘇軾詞巻 2007年12月09日(日)更新
【和:ぎょうそうしょりはくしそしょくしかん】 |
【中:Xing cao shu li bai shi su shi ci juan】 |
明・清|彫刻・書画>行草書李白詩蘇軾詞巻
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徐渭筆
紙本墨書
縦30.5 横770.8
明・十六世紀
上海博物館蔵
徐渭、字は文清、のちに文長と改めた。天池、田水月、青藤老人、漱老人、金壘、青藤道人などの号がある。詩文、書画の他に、戯曲も善くした。山陰(浙江省紹興)の人。正徳十六年(1521)に生まれた。諸生。浙江省総督の胡宗憲の幕客となり、『白鹿表』を献じて名を知られ、兵謀に参与し、しばしば功を立てた。しかし、胡宗憲が厳崇の一党として下獄されるに及び、発狂し、自殺を企てたが果たせず、妻を殺して獄に繋がれ、久しくして許された。出獄後は放浪と貧窮のうちに書画を鬻いで生活し、万暦二十一年(1593)に歿した。
李白詩や蘇蘇軾詞など九首を、一首ごとに書風を変えて揮毫した横巻である。第七、第八首の出典を詳らかにしないが、詩題は以下の通り。第一首、李白「憶旧遊寄譙郡元参軍」。第二首、劉長卿「明月湾尋賀九不遇」。第三首、劉希夷「代白頭吟」。第四首、李白「採蓮曲」。第五首、李白「夢遊天姥吟留別」。第六首、蘇軾「喋恋花詞」。第九首、李白「横江詞」。款記「道士渭宝書於満香書屋」の後に「青藤道士」白文方印、「湘管斎」朱文方印があり、巻頭に「漱僊」白文長方印を鈐す。徐渭は自ら「吾が書第一、詩二、文三、画四」と称して、諸家を兼習し、気勢の横溢する個性的な書を遺した。第二首や第四首などには、豊かな姿態に米芾の影響が認められる一方、第三首では、黄庭堅を想起させる奇峭な筆法である。第七首に至りおもむろに狂放恣肆な草書となり、第八、第九首と書き続け、款記まで一気呵成に筆を運んでいる。諸詩を録し、各首の書風に変化を持たせる形式の作は、その他にもいくつか伝世し、行楷書の「女芙館十詠」(上海博物館蔵)はその代表作として知られている。「女芙館十詠」は、徐渭の書のなかでは比較的穏やかな筆致であるが、行楷書から狂草書を収めて変調の妙を尽くす本巻は、より表現の幅の広い作で、徐渭の伎倆を充分に窺わせる優品と言えよう。出所:「上海博物館展」
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