景徳鎮窯「大明官徳年製」銘
高6.6、口径38.5、底径28.2
明･宣徳（1426～35）
上海博物館蔵
　中央に大ぶりの花をつけた牡丹の折枝文をあらわし、周囲には柘榴、荔枝などの瑞果文を配している。裏面には菊唐草文があらわされている。同一の意匠で瑠璃地白花の例が知られているが、この盤は大変珍しい技法によっている。おそらく、透明釉をかけたのちに文様の部分だけ釉を削り落とし、そこに鉄釉を塗って高火度で一次焼成したものと思われる。花弁や葉脈などは細い線彫りであらわされている。鉄釉は明るい褐色を呈しており、やや青みを帯びた白地に映えて、爽やかな色調の上品な作風に仕上がっている。外側の口縁下に青花で「大明宣徳年製」の一行銘が記されている。底裏は露胎で、淡い褐色に焦げている。
景徳鎮珠山の明時代の官窯址において、これと同一の技法、意匠でやはり「大明宣徳年製」の銘が記された盤が出土している。宣徳年間の官窯で試みられた特別な作品の一つとみることができる。出所：「上海博物館展」

関連情報