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西安前漢上林苑遺址出土の青銅器 2007年12月29日(土)更新

西安前漢上林苑遺址出土の青銅器

【和:】
【中:
秦・漢・三国|青銅器>西安前漢上林苑遺址出土の青銅器

紀元前206~後24年
 前漢の武帝時代(紀元前141~前87年)に,都の長安城の南の有名な宮廷御苑,上林苑を拡張建築した。その御苑の規模は,漢代の長安域から南にむかって終南山の北麓にいたり,東は宜春苑から西は五杵宮にいたる周囲数百里もあり,現在の長安,戸県,周至の3県にまたがっている。その御苑のなかには,多くの宮殿,楼閣が配置された離宮が70余も築かれ,高殿など30余も建てられた。そこには無数の珍しい禽獣類が放しがいにされ,皇室の狩猟場ともなっている。なお,そこには群臣が献上した珍しい花や樹木が数千種も植えられていた。苑中の自然の山水と楼台,殿閣などの建築がよく調和した園林建築で,景色はまことにすばらしいものであった。当時の文学者である揚雄は,「水に浮ぶ建築群は贅をつくし,麗わしきことこのうえなし」と述べている。
ここに陳列された青銅器はこの上林苑遺址からと出土したものであり,そのなかに氷や水をもるのに用いる銅鑑,肉類を煮るのに用いる銅鼎,酒を貯蔵するのに用いる銅鍾,暖をとるのに火をもす銅炉がある。これらに刻まれた銘文によると, これらはみな上林苑内にあったある官殿に属する器物であるという。これらの器物といっしょに出土したものは合計20余個の大型青銅器であった。それらの大部分には銘文が刻まれていた。出土した8個の銅鑑の銘文の内容から統計しただけで,紀元前24年から紀元前18年の7年間に,当時上林苑内の宮廷のために専用に鋳造した銅鑑のみでも1400余個にも達していたという。このほかになお,東郡,弘農宮,泰山宮などの地から上林苑に調達された青銅器の数量は,更に目をみはらせるはずである。上林苑遺址出土の青銅器に刻まれた銘文には,鋳造年代と地点,それを使う宮殿名,工匠の姓名,器物自体の重さと容量などが記載されているため,前漢時代の宮延生活および当時における冶金工芸,度量衡制度などを研究するうえで重要資料でもある。出所:「シルクロード文物展」

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