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武威雷台出土後漢銅馬 2008年01月09日(水)更新
2世紀
1969年,甘粛省武威の雷台で後漢後期の大型磚室墓が発見され,盗掘にあっていたが,遺存した文物には200余点に達する金,玉,青銅,陶,鉄の器物などがあった。そのほか,後漢の銅銭が3万枚以上あった。出土した青銅器のうち,最もすばらしいものは,精美な,青銅で鋳造された車,馬,武士俑などである。それは合計39頭の馬と14両の車と戟,矛,鉞などの兵器を手にもつ17騎の騎士俑と28体の奴婢編である。これは100点ちかくからなる,歩兵,騎兵,車の儀仗隊の大部隊である。これは封建貴族の出行の際の派手な様子や警備のものものしい有様を具体的にあらわしたものである。
39匹の銅馬のなかで,儀仗隊にしたがう4頭の馬があったが,体の大きさはほかの馬と同じであるが表情が異なり,勇健ですばらしい馬であった。くびをかたむけ,目は遠方を見つめ,口をひらき,耳をそば立てて,足を一つあげて,生きいきとした姿をしている。ここに陳列されているのは,そのうちの2点である。
もっとも人びとの注目をひくのは同墓から出土した銅奔馬である。こうべをあげ,尾をなびかせ,いななきながら飛走する。4本の足は地上を離れ,後足が,飛燕の背をかすめている。その燕はくびをまわして馬を見つめ,驚いた様子をしている。このように入念な設計は馬が全力で疾走している姿に作ったものではないが, しかもその馬の速度が飛燕よりも速いことをあらわしており,同時にまた飛んでいる燕のからだを巧みに利用して馬の着地点の,疾走している馬の安定感を強めている。傑出した古代の芸術品である。出所:「シルクロード文物展」
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