考古用語辞典 A-Words

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銅製鍍金天王立像(2)       2008年05月06日(火)更新

銅製鍍金天王立像(2)

【和:どうせいときんてんのうりゅうぞう
【中:Tong zhi du jin tian wang li xiang
宋・遼・金・元|青銅器>銅製鍍金天王立像(2)

五代一北宋 10世紀
高さ15.0cm
  天衣を翻し、両足を大きく開いて大地を踏みじめるこの金剛力士像は、金銅製の立像である。
頭には宝冠を着け、頭髪を両肩に垂らし、眉間に皺をよせて右方を見据えて立っている。身につけるのは腰にまとった短い裙(腰布)のみで、背面では裙の裾が体の動きに合わせて大きく右へなびいている。右手に前方が球形、後方は剣先形になった金剛杵を持ち、左手を後方に高く上げ、五指を大きく広げて立つその姿には仏敵を威圧する力士としての迫力がみなぎっている。隆々とした上半身や両足の筋肉の表現、手や足の指先に込められた力によってやや反り返っている指の表現など、その力感表現には全体として豪快な表現の中にも繊細な注意がはらわれ、その的確な肉体表現からは唐時代に確立した人体表現の伝統がしっかりと受け継がれているのがわかる。
両像はその肉体表現や表情描写に多少違いを見せているものの、法量がほぼ同じであり、どちらも相似た岩座に立っているなど共通点も見られことから、これら2体は同時期の製作で、唐時代の彫塑の伝統をかなりよく受け継いだ五代から北宋時代初期の作と考えられる。出所:『地下宮殿の遺宝中国河北省定州北宋塔基出土文物展』

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