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切子ガラス壺 2008年05月07日(水)更新
イスラーム 9-10世紀
高さ9.8cm
淡い青緑色の透明素材で製作されており、小さい気泡が全面に見られる。銀化はほとん見られず、傷もなく、保存状態は極めて良い。蛍光X線による分析では、ソーダ石灰ガラスという結果がでており、中近東地域の一般的なガラス組成と一致している。
製作技法は、基本的には宙吹き技法であるが、形を整えるために製作過程で型を用いたと考えられる。口縁部は焼き直して整えられた円形口縁で、円筒形の頚部には縦方向に長方形の面取リカットが施されている。胴部も円筒形で、頸部のつけね、肩部、底部近くには、区画割りのための線カットが見られる。肩部には小円と小楕円の連続文、胴部全体にはイラン方面で特徴的な幾何文が線カットで描かれている。また、底部は平底で、中央にポンテ痕があり、その周囲を囲むように正方形の線カットが見られる。
1036年に創建された安微省無為宋塔の基壇からは、素材、器形、装飾が極めて類似した製品が出土している。埋蔵年には約60年の差があるものの、製作された時期および地域はおそらく同一で、 9~10世紀頃にイラン方面で製作された可能性が高い。出所:『地下宮殿の遺宝中国河北省定州北宋塔基出土文物展』
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