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ガラス杯 2008年05月08日(木)更新
イスラーム 9-10世紀
高さ7.0cm
ほぼ無色透明の素材で製作されているが、若子の緑みを帯びている。これは、原料として用いられた砂に不純物として含まれていた鉄分によって発色したものである。通常、原料となる砂には少なからず鉄分が入っており、純粋無垢な無色透明な素材を作りだすためには、原料に補色となるマンガンを加えて消色剤として用いることが知られている。分析の結果、この杯はソーダ石灰ガラスであった。また表面には、部分的に非常に薄い白く曇った銀化が見られる。濃青色の杯よりはやや小振りであるが、器形は同形で、製作技法も同一である。
福岡県の鴻臚館遺跡で無色のガラス容器の口縁部片が発見されたが、おそらくこの杯と同形であったと推測される。両者は年代的にも近く、ほぼ同時期に、イラン方面から中国、そして日本へともたらされたものであるに違いない。出所:『地下宮殿の遺宝中国河北省定州北宋塔基出土文物展』
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