白磁壺       2008年05月10日（土）更新

定窯 北宋 10世紀
高さ18.7cm
　定窯白磁壺としては大ぶりの作である。大きな蓋をともなっている。身は広口で、口縁はわずかに立ちあがり、胴が張り出し、裾をしぼっている。胴に2本の弦文帯がめぐり、造形をひきじめている。形はそれほど変化の多いものではないが、全体にかけられた釉は実によくとけており、少し黄みのある定窯白磁独特の釉調をたたえている。高台畳付きは無釉で、白い素地に赤褐色の斑点がみえる。蓋は平蓋で大きな擬宝珠状の鈕がついている。蓋裏は無釉である。定窯としては大作であり、器壁も厚くつくられている。出所：『地下宮殿の遺宝中国河北省定州北宋塔基出土文物展』