堆黒雲紋筆     2008年06月27日（金）更新

明 
長19.7cm 径1.2cm 内径0.7cm
北京故宮博物院蔵
  筆管と筆帽ともに曲線を描いた特徴のある形をしており、本品は、木製の台に黒漆と朱漆を交互に塗り上げ、漆が乾いたのち’深く紋様を彫りつけるもので、紅黒二色がからみ合い、断層が明瞭で、極めて変化に富んでいる。この筆の紋様は如意飛雲である。
明代になると、筆管の装飾化がだんだんと進み、彫漆をはじめ、彩漆、黒漆地描金といった装飾が多くなり、なかには筆管の材質に鼈甲を使用するものまで現われた。この筆は明代の筆の中でも珍品といえよう。出所：『北京博物院・清朝宮廷文化展』