墨玉風字硯     2008年07月04日（金）更新

清 
長8.2cm 幅7cm 厚lcm
　硯材は珍しい墨玉が使われ、「風」字型につくられている。この種の硯形は南北朝時代の箕形硯から発展したものである。硯は裏表両面いずれも使え、表面の上方に楕円形の墨池があり、墨池の下位に円形の墨堂があるが、周辺がやや高くなっており、外に墨が流れ出ないよう工夫されているだけで明確ではない。墨池の下は右の白い文理を生かしてわずかに手を加えてヒダを彫り、 白いねり絹のようである。 また、 この硯は軽く持ち搬びに便利である。
玉硯は高価なものであり、その上、墨のおりもよくないので、製品も稀れで、ほとんどが飾り物、観賞用のものである。出所：『北京博物院・清朝宮廷文化展』