考古用語辞典 A-Words

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遺教経(1帖)     2008年07月08日(火)更新

遺教経(1帖)
【和:「ゆうぎょうきょう
【中:「Yi jiao jing
|彫刻・書画>遺教経(1帖)

紙本墨書
縦23.9、長316.2
平安時代・10ー11世紀
滋賀・石山寺
  この経典は帖仕立てになる短い経典である。末尾の軸付け紙の状態からも明らかなように、もとは巻子本であった。末尾の奥書「唐の清信弟子陳延昌、この大乗経典を荘厳し、日本使・国子監大学の朋古満に附け、彼に流伝せしむ。開元二十二年(734)二月八日、京より発つときに記す。(原文は漢文)」によれば、陳延昌(未詳)という唐の人物から、「朋古満」すなわち道唐使として長安に滞在中の大伴古麻呂に、日本に流布させる目的で託したものということが明らかである。この日付の直前の四日に井真成の葬儀が行なわれており、この大伴古麻呂も参列したと考えられる。古麻呂はのちに、遣唐副使として入唐し、鑑真の日本への渡来に尽力した。
この1帖は、見られるように必ずしも巧みな筆跡ではないが、丹念に筆を運び、謹厳に書写されたものである。奥書のみに行のうねりや不必要な文字と文字の間隔があるわけでなく、2紙目あたりから行のうねりが起こり、字間がまばらとなっている。その書風などから推定して、この時の遣唐使が請来したものではなく、平安時代中期に転写されたもの.と考えられる。
『遺教経』は、釈迦の遺言を記したという経典で、釈迦の戒めが説かれている。これは、唐の太宗が広く天下に流布させようとした経典であったことも知られている。出所:『遣唐使と唐の美術』

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