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折柄鐎斗 2008年07月11日(金)更新
銀
高7.6、長28.5
陝西省西安市何家村出土
唐時代・8世紀
陝西歴史博物館
鐎斗は、主に酒などを温めるために用いられた器で、長い柄と3足を備えるのが特徴である。戦国時代末期頃、紀元前3世紀頃からの作例が知られている。この作品も、片方に口を備えた器の下端に獣足形の3足、側面に長い柄が溶接され、火を焚いて内容物を温めるのに便利な形式となっている。また、柄の付け根のところで折りたたむことができる仕組みとなっており、収納しておく際の利便性にも考慮が払われている。類例はほとんどが青銅製や陶磁製で、銀製の鐎斗としては非常に稀少な遺例である。器体はかなり厚手に作られているが、成形は鍛造になり、表面には仕上げに施した研ぎ目などの跡も見える。
何家村からは、この作品とよく似た形式の金製の器が出土しているが、その内底に薬を温めるという意味の墨書があることから、この作品も、薬を煎じるなどするために使用されたものと推測される。薬との関わりという点では、文様や鍍金などの装飾的な要素が見られない銀の素地のままの仕上げとなっているのが興味深い。なお、器の内底に、「十二両」という墨書がある。出所:『遣唐使と唐の美術』
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