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菱文錠 2008年07月11日(金)更新
銀・鍍金
長18.4cm
陝西省西安市何家村出土
唐時代,8世紀
陝西歴史博物館
貴重、稀少なものを納める容器に取り付ける錠の作例である。唐時代には、主に孔雀文箱のような直方体状の容器の前面に座金を設け、そこにこうした錠を設置して容器の開放を防止した。図版向かって右に見える棒状の金具が鍵にあたり、それを本体に抜き差しして、中にある留め金具を操作した。花形など、複雑な凹凸のある形に作り、表面に魚々子文を地とした精緻な文様を刻出し、さらに部分的に鍍金をのせるなどした作法は、唐時代の他の金銀器と同工で、この頃の物作りの特色がよく示されている。何家村では、この作品を含め、合計17作の銀製の錠が発見されており、当時、貴族階級の間で、かなり普及していた器物の1つであったことがわかる。いずれも流麗な意匠をもつことからすると、単に防犯用の道具としてばかりでなく、身の回りに華やぎを添える装飾品の一種としても重宝されていたのであろう。出所:『遣唐使と唐の美術』
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