考古用語辞典 A-Words

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金銀器制作技法     2008年07月11日(金)更新

金銀器制作技法
【和:きんぎんきせいさくぎほう
【中:Jin yin qi zhi zuo ji fa
基本用語|>金銀器制作技法

金銀器の制作技法には、大別して鋳造(鋳金)と鍛造(鍛金)の2種がある。
鋳造は、金属の塊(インゴット)を加熱して液体状に溶融し、それをあらかじめ作っておいた鋳型に流し込み、冷却して成形する技法である。鋳造には、鋳型や原型の種類の違いによって、砂型、石型、?型などがあり、唐時代には主に、原型を蠟で形作る蠟型が用いられた。鋳造は、青銅器の成形に最も普遍的に用いられた技法で、金銀器の場合は、鋳造になるものはさほど多くはない。
鍛造は、金属の薄板を槌などで叩いて徐々に引き伸ばすことによって器物を成形する技法である。鍛造では、ある程度自在に器物の形を設定することが可能で、また、その厚さをかなり薄くすることもでき、鋳造に比べて素材の使用量がかなり少なくてすむ。金銀は、延展性に富み、なおかつ貴重な素材であることから、器物の制作に際しては、鍛造による場合が最も多い。鍛造によって形作られた金銀器の表面には、しばしば各種の文様が施される。とくに唐時代には、精緻な文様を器表に隙間なく刻出したり、宝石を嵌め込んだりした例が数多くあり、金銀器の加飾法が最も高度に発達した。直径1mmにも満たない小さな円文をびっしりと連ねる魚々子や、鏨を連続して打ち込む蹴彫といった技法により、金銀の輝きに独特の味わいが加わり、唐時代の金銀器ならではの作風が形成された。出所:『遣唐使と唐の美術』

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