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陶俑 2008年07月12日(土)更新
俑とは中国で墳墓に副葬するために作られた人間の像をいう。材質には陶磁器のほか、木や金属などがある。殉葬の代わりといわれ、死者に仕えるものとされる。動物をかたどった像や、家屋、家財道具の模型をも含めることもある。俑は葬送の制度や死生観、宗教観を色濃く反映していると同時に、生前の生活を再現する側面もあり、当時の生活ぶりや風俗習慣を知るうえで多くの情報を提供している。
陶製の俑の副葬が広く行なわれるようになるのは春秋戦国時代である。奏始皇帝兵馬俑坑から出土したほぼ等身大の兵士の陶俑は、きわめて写実的な表現がなされている。漢時代になると、灰陶に彩色を施した加彩のほか、緑釉や褐釉などの鉛釉が施された華やかな陶俑が制作されるようになった。長江下流域では三国から西晋にかけて青磁の俑が作られている。陶俑の制作は北朝時代に活発になった。唐時代には陶俑の制作がいちじるしく興隆し、加彩や三彩の技法による華麗な俑が大量に作られた。唐時代の陶俑は、装飾性豊かで、変化に富んでおり、とくに動きを強調した表現は、さながらアニメーションを見るかのようである。しかし盛唐期を過ぎ、貴族社会が崩壊すると、陶俑の制作は急速に衰退していった。出所:『遣唐使と唐の美術』
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