十弦琴     2008年07月16日（水）更新

木製漆塗り
長67cm、高11.4cm、幅19cm
　蒲鉾型の身の上部に幅の狭い板が付き、その板の下にはきのこ形の柱が付いている。身は中空で、身の底板は外すことができる。身の上面の一端には比較的高い岳山があり、この外側に10個の孔があいている。弦はこの孔を通り、幅の狭い板の先端で折返され、きのこ形の柱に結ばれたものであろう。全体に黒漆が塗られており、現在も光沢を保っている。
これに類似した十弦琴は、湖南省長沙市五里牌の戦国時代中・晩期の墓から出土している。また同じ長沙市の馬王堆三号漢墓からは、類似した形の七弦琴が出土しており、こうした形の琴が長く使われていたことがわかる。出所：『曾侯乙墓』 特別展 日中国交正常化20周年記念