考古用語辞典 A-Words

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束腰平底鼎 3点     2008年07月20日(日)更新

束腰平底鼎 3点
【和:そくようひらぞこてい
【中:Shu yao ping di ding
春秋戦国|青銅器>束腰平底鼎 3点

青銅製
(附属匕1)
束腰平底鼎 通高35.5cm、口径45.8cm、 重20.6kg
束腰平底鼎 通高35.2cm、口径45.8cn、 重20.5kg
束腰平底鼎 通高35.7cm、口径46.0cm、 重20.8kg
匕 長45.8cm、 重1.035kg
 腰がすぼまり、底は平たい。2本の耳は大きく外側へ反り、器体には四つの龍形の装飾が付く。器体は灰白色の物質を充填した象嵌紋様で飾られるが、その上に貼付されたトルコ石が所々残っている。器体上部には2匹ずつ組になった鳥首龍紋が巡り、その下には2段にわたって勾連雲紋が施される。内壁に「曽侯乙作持用終」の銘文がある。
足と龍形装飾は別に鋳造して器体に鑞付けしたものである。同じ型式の鼎が9点出土している。やや特異な形の鼎であるが、この型式の鼎は、楚の領域からしばしば出土しており、楚に特有のものと考えられている。河南省淅川下寺や安微省寿県蔡侯墓では同じ型式の青銅鼎に(鼎+升)鼎という銘があり、「升鼎」と解することができる。升鼎とは煮た肉を盛りつけた鼎である。周代の鼎制度は升鼎を中心にしたもので、位によって用いる鼎の数が決められていた。『春秋左氏伝』などによると、元来九鼎を用いたのは天子であったが、春秋戦国時代の礼制を記すと考
えられる『儀礼』などによると、諸侯は九鼎、卿・上大夫は七鼎、下大夫は五鼎、士は三鼎あるいは特一鼎を用いるとなっており、時代によって礼制が変化していることが窺われる。曽侯乙墓で出土した鼎のうち、束腰平底鼎は同じものが9点発見されているが、曽侯乙は諸侯であり、当時の九鼎の制度に符合すると考えられる。 出土した9点のうち7点には牛、半、豚、魚、鶏の骨が入っていた。『周礼』や『儀礼』などによると九鼎の中に盛ったものには動物の内蔵もあり、骨がないために2点の鼎には何も残っていなかったのかもしれない。出所:『曾侯乙墓』 特別展 日中国交正常化20周年記念

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