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漆盾 2008年07月22日(火)更新
【和:しつじゅん】 |
【中:Qi dun】 |
春秋戦国|>漆盾
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長92.5cm、 幅55cm
盾は全部で49件が発見され、そのうち、26件が北室より、そして、23件が東室から出土した。
これは東室からのもので、出土の盾のなかでは、いちばん状態のよい作品である。本来は、背面に木製の把手が付いていた。ボディーは甲冑などと同様で、盾の形を上から順に扇形、倒梯形、長方形という具合に、二つの異なった形を組みあわせてつくっている。総体に黒漆を塗りかけ、表面は無紋のままにし、裏面に朱漆などで紋様を描いている。縦六段、横八段に区画された48個の長方形の枠内外にびっしりと雲紋や絡縄紋、あるいは変形の龍鳳紋などの紋様、さらに、盾の縁部に菱形紋と、雲のような紋様を一緒にあらわしている。このように、画面をすき間なく紋様で埋めつくす手法は、中国古代の芸術作品にはしばしば見出されるもので、これは空間恐怖に対するある種の感覚を示しいるようにも思える。
この種の漆盾はかつて、湖南省長沙市の五里牌から出土した戦国時代後期のものが知られ、それが漆盾のもっとも古い遺品となっていたが、この曽侯乙墓の発見によって漆盾の存在がさらにさかのぼって確かめられるようになった。きっちりした緊張感のただよったかたち、しっかりしたつくりなどこの時代の精神をよく反映した作品といえよう。出所:『曾侯乙墓』
特別展 日中国交正常化20周年記念
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