考古用語辞典 A-Words

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編鐘   2008年07月24日(木)更新

編鐘
【和:へんしょう
【中:Bian zhong
春秋戦国|青銅器>編鐘

青銅・木、漆塗り
長辺の長さ748cm、高さ265cm、
短辺の長さ335cm、高273cm、
総重量約5トン
 65個の大小の青銅製の鐘を、青銅と木で作られた3段の枠に並べた楽器である。
枠は上から見ると曲尺形で、14本の青銅製の柱が7本の木製漆塗りの梁を支える。下には剣を帯びた人物形の柱3本と円柱1本があり、これらが長短2本の梁を支える(下層)。この上に同じく剣を帯びた人物形の柱3本が立ってその上の長短2本の梁を支える(中層)。そして中層の短辺の上に2本、長辺の上に4本の円柱が立ち、それぞれ短辺上は1本、長辺では2本の梁を支えている(上層)。
人物形の柱は、青銅製である。人物はみな上面が平らな冠を被り、右前の長袖の着物を着、腰の左側に剣を佩いている。衣服の部分はまず黒漆を塗って地とし、裾などに朱で紋様を描く。下層の人物像の台座は、別に鋳造したものを人物像と接合したものである。
梁は本の長い角材で、両端に多数の龍蛇を表わした青銅製の装飾金具をはめている。梁の身は黒漆を塗って地とし、その上面と側面に朱漆で紋様を施している。
鐘はすべて青銅製の鋳造品で、鎛鐘・吊鐘・鈕鐘の三種類がある。鎛鐘は下層中央に1点ある。甬鐘は中・下層にあり、9鐘はすべて上層にある。全体として5オクターブ余リの範囲の音を出すことができ、中央の3オクターブについては、現在のピアノの白鍵・黒鍵すべてに対応する音を出すことができる。
鐘・梁および鐘を懸ける金具には、音高と音程に関する銘文が記されている。これによって音楽に関する当時の知識を知ることができる。またこうした銘文の研究によって、鎛鐘は本来この編鐘を構成していた鐘ではなく、これを本来は甬鐘が懸かるべき場所に入れてしまったので、甬鐘が代りに一つ減らされたことが明らかになっている。
編鐘を演奏する様子は鴛鴦形盒[13]に描かれており、また他の地点で出土した青銅器にもその様子が表わされているものがある。こうした資料と、復元演奏の経験から、この編鐘の演奏には5人の楽士が当たったものと推定されている。2人は編鐘の前に立って長い鐘棒[8]で下層の大きな鐘を撞き、3人は編鐘の後ろに立って両手にもった鐘槌[9]で中・上層の鐘を叩いたのであろう。出所:『曾侯乙墓』 特別展 日中国交正常化20周年記念

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