考古用語辞典 A-Words

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甬鐘   2008年07月24日(木)更新

甬鐘
【和:ようしょう
【中:Yong zhong
春秋戦国|青銅器>甬鐘

青銅製 
高161.1cm、 重119.3kg
編鐘の長辺の下層のほぼ中央、鎛鐘の左隣に掛かっていたもので、45件の甬鐘のうち、8番目に大きい。 鐘の部分は断面が杏仁形で、上に長い円筒がつく。図版に示したのは観客の方を向く面であり、演奏者が叩く面でもある。 鐘の両面には多数の銘文があり、これに金象嵌が施されている。図の反対側には
(鉦部)「曽侯乙作持」
(正鼓)「宮」
(右鼓)「徴曽」
との銘文がある。この鐘は曽侯乙が作り使用するもので、正鼓部を叩けば「宮」すなわちドの音が出、側鼓部を叩くと「徴曽」すなわちレ#ないしミbの音がでる、という意味である。
図に示した側には、この鐘の正鼓部の出す音と側鼓部の出す音が、他の音階ではどの音にあたるか、詳細に記している。その体裁は、編磬の磬[1‐3]とほぼ同じである。なおこの銘文によって、背面の「宮」「徴曽」という階名は姑洗均(姑洗の音を宮とした音階)に基づくものであることがわかる。出所:『曾侯乙墓』 特別展 日中国交正常化20周年記念

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