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明黄色刺繍龍袍 2008年07月29日(火)更新
【和:めいこうしょくししゅうりゅうほう】 |
【中:Ming huang se ci xiu long pao】 |
明・清|絹・衣類>明黄色刺繍龍袍
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清朝の皇后が春と秋に着用した礼服
清・乾隆年間(1736-1795)
着丈:147.0cm 両袖通長:174.0cm 袖口:20.0cm 裾幅:130 0cm
清代乾隆年間を代表する服飾工芸の傑作である。明黄色の薄い絹地に彩雲(色とりどりの雲)と金色の龍を刺繍した袷仕立ての龍袍である(龍袍は特別な式典に礼服として着用された丈の長い服で、規定に従って龍文が配されたものをいい、厳密には皇帝と皇后が着用するものだけをさす)。明黄色龍袍は、清朝の皇后の礼服の一つで、この服は皇后が春と秋に着用したもの。龍袍は清朝の冠服の制度の規定によって、八団無水龍袍(八つの団龍文=丸い龍の図柄があり、波涛文のない龍袍)、八団有水龍袍(八つの団龍文、波涛文のある龍袍)、そしてこの作品のように全身に模様を施した龍袍の3種類に分けられる。形式は丸首で襟がなく、右袖付けの部分が上前あわせになっていて、袖は馬蹄形に作られ、裾は左右に開く。この皇后用の龍袍には清代の皇帝、皇后が用いた伝統的な模様である彩雲、金龍、波涛文、岩山などの意匠が取り入れられている。特に龍袍の馬蹄形の袖は装飾性に優れ、さらに満州族らしい性格を濃厚にあわせもっている。清代には馬術・弓術など尚武の精神が重んじられたが、この馬師形の袖は「馬上に天下を得たり」という言葉に象徴されるように輝かしい清朝の歴史を表わすものでもある。この龍袍には団龍文、八宝(珠、銭などの八つからなる吉祥文)の模様を織りあらわした月白色(薄い藍色)の紗(透かし目のある薄手の織物)を裏地とし、表は黄色く染めた南京産の絹の綾織(糸の浮きが斜めに続く織物)の地に雲、龍、波涛文、八宝文を色糸で刺繍している。技術的には刺繍表現の限界を越えているうえに、作りは細緻を極めている。大量の金糸であらわされた輝く巨龍は波涛と彩雲の間にあってひときわ威厳がある。襟口に黄色い付箋があり、墨書で「黄宮綢綉金龍袷紗抱一件、乾隆三十年九月二十八日収」と記されている。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝
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