考古用語辞典 A-Words

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石青色刺繍褂  2008年07月29日(火)更新

石青色刺繍褂
【和:せきせいしょくししゅうかい
【中:Shi qing se ci xiu gua
明・清|絹・衣類>石青色刺繍褂

清代の皇后が着用した普段着
清・道光年間(1821-1850)
着丈:131.5cm 両袖通長:172.0cm 袖口:25.5cm 裾幅:133.Ocm
  これはまさに古代中国の染織技術の優秀さを体現したものといえる。石青色(黒みがかった紫色)の繻子地(糸の浮きが多く表面がなめらかで光沢のある柔らかい厚手の絹織物)に8つの団花卉文(丸い花卉文)と波涛文を刺繍した袷仕立ての褂である(褂は肩からかける打褂のこと)。この褂は、清代の皇后の普段着で、色彩と形式については皇后の礼服である八団有水龍褂(八つの団龍文と波涛文と龍文のある褂で、龍褂は礼服として着用される)と同じである。ただし模様は異なり、模様の違いがその服の役割を決定している。たとえば八団龍褂は祝い事の際や、祝祭日に皇后が着用し、八団常服褂はやはり皇后が非公式の場で着用するものである。清代の冠服制度には皇后の常服(普段着)についての規定はないが、この服の袖口の金龍と裾の波涛文と岩山の模様は、この服が皇后や妃が部屋でくつろぐときに着用する平服ではないことを示している。この皇后の普段着である褂は、その生地、刺繍とも現代の服飾に匹敵する美しさがある。月白色く(薄い藍色)の平織の絹を裏地とし、石青色の繻子地に金龍、波涛文、八つの団龍文と花卉文が色糸で刺繍されている。繻子には潤いと艶があり、模様は生き生きとして真に追っている。170年余りもの年月を経ながら現在もなおこのように当時のままに輝きを放ち、人々を魅了し続けていることに驚きを禁じ得ない。この服には襟口に黄色い付箋があり、墨書で「石青緞綉八団花有水袷褂一件、咸豊五年三月二十五日収金環交」と記されている。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝

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