時代別順
分野別順
|
珊瑚首飾り(朝珠) 2008年07月31日(木)更新
清(1644-1911)・中期
全長:122.0cm
朝珠は、清代礼服のなかの装身具の一つで、『大清会典』(清朝の基本法典の一つ)には、上は皇帝、皇后から皇帝の側室、女官及び文五品(品は身分の階級のこと)、武六品までの位の者にのみ朝珠の使用が許されるという規定が記されている。清代の「輿服志」(清朝の正史のうち乗り物や服飾制度などについて記した部分)によると、皇帝が大きな式典において明黄色の朝服(儀式用の礼服)を着用する際には、必ず東珠(中国東北部に産する珠玉)の朝珠を身につけ、祭天(天を祭る儀式)で青い朝服を着用する際にはラピスラズリ(アフガニスタン、シベリアなどに産する青色の宝石)の朝珠を身につけ、祭日(太陽を祭る儀式)で赤い朝服を着る際には紅珊瑚の朝珠を身につけ、祭月(月を祭る儀式)で月白色(うすい藍色)の朝服を着る際には、トルコ石の朝珠を身につけ、祭地(地を祭る儀式)の際には蜜蠟(松の樹脂)の朝珠を身につけなければならなかった。また、皇后、皇妃たちの服飾についても規定があり、皇后は大きな式典では朝珠を3本身につけることが定められている。そのうちの2本は珊瑚でもう1本は蜜蠟(松の樹脂)である。朝珠は108個の珠と、それぞれ仏頭、背雲、記念、節珠と呼ばれる部分で構成されている。4個の大珠が「節珠」であり、節珠によって108個の珠を4等分し、一年の四季を象徴している。10個の珠を通ねたもの3本が「記念」であり、一か月の内の上旬、中旬、下旬を表わしている。身につける際には「仏頭」(最も長い垂れ飾りがついた節珠と、その節珠の付け根にある珠のこと)と「背雲」(最も長い垂れ飾りの中間にある飾り)は後方に垂らすが、「記念」は2本がとなりあっている方を男性は左側に、女性は右側にして前へ垂らすというように男女による違いがある。清代中期に宮廷で使用されたもの。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝
|
|
Copyright 2006 abc0120 All rights reserved.