考古用語辞典 A-Words

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細線細工爪カバー(一対)  2008年07月31日(木)更新

細線細工爪カバー(一対)
【和:さいせんざいくつめかばー
【中:Xi xian xi gong zhi jia tao
明・清|絹・衣類|金銀・玉器>細線細工爪カバー(一対)

清・同治―光緒年間(1862-1908)
(各)長さ:8 9cm l¬径:1 4cm
  金鍍金を施した細い銀線を編み上げて作った爪カバーである。『詩経』(中国最古の詩集で孔子以来儒家の経典とされた)には女性の手について「手は若芽のように柔らかく、肌は白玉のように美しい」という詩旬があり、女性の細い柔らかな指に対する古代人の憧れが窺われる。しかし女性の指の美しさは生来的な特質であるばかりでなく、装飾の成果でもある。その装飾法の一つが「蓄甲(爪を伸ばすこと)」である。しかし爪は一年で10cm程伸びるのがやっとであり、長い爪は不注意ですぐに折れてしまうため、「蓄甲」は労働階級の女性たちには手の届かない習慣であり、貴族のみが楽しむことができるおしゃれであった。貴族階級の女性たちはこの長い爪を保護するために爪カバーを爪にかぶせた。この爪カバーは故宮に伝わる珍品の一つで、同治(1862~1874)、光緒年間(1875~1908)に作られたもの。古銭文様のほか、蝙蝠と寿字は鮮やかな翡翠(背面が暗緑青色、下背以下が鮮やかな緑青色の水辺の鳥)の羽で飾られ、蝙蝠の腹部にはルビー、寿字には真珠が飾られている。蝙蝠と寿字は「福寿」の意、古銭の「銭」は「全」と音が近く、あわせて「福寿双全」(多福、長寿をそなえる)という吉祥の意味となる。細線を編み上げて中が透けて見えるように作られたこの精巧な爪カバーは、清代後期の珍品である。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝

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