皇后朝冠  2008年07月31日（木）更新

清代の皇后が被った夏用の冠
清（1644－1911）
高さ：30.0cm
  皇后の夏用の冠。この冠は円形で黒ビロードで包まれ、朱の絹糸で飾られている。頂部には、樺の樹皮でつくって金をかぶせた鳳凰が東珠（中国東北部に産する珠玉）を挟んで3段に積み重なり、翼を広げている。尾には真珠が飾られている。朱色の糸が装飾されている部分には、やはり樺の樹皮でつくって金をかぶせた鳳凰が7羽めぐらされ、それぞれに猫眼石（灰、緑、褐色などのものがあり、磨くと猫の目に似る）1個、東珠9個があしらわれ、尾は真珠で飾られている。冠の後部には金製の翟（尾の長い雉子）が1羽あしらわれ、その背中には猫眼石が1個、尾は真珠で飾られている。冠の後ろ側には「護領」（襟をよごさないようにあてた内襟）がつけられている。明黄色の平紐が2本さげられ、その中間にラピスラズリ（アフガニスタンなどに産する青色の宝石）が結ばれ、金の細線細工の覆いをかぶせた珊瑚の飾りが4個下げられている。翟の尾には5列の長い下げ飾りがつき、その中程に内外両面から取り付けたハート形の金の細線細工にラピスラズリが嵌め込まれ、そのまわりに真珠が6個飾られている。下には金の細線細工の覆いをかぶせた珊瑚の飾りが5個下げられている。出所：北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝