獣面文方座簋  2008年08月01日（金）更新

祭礼に用いられた獣面文様の器
西周（紀元前11ー紀元前8世紀）
青銅製
通高：25.5cm 口径：20.1cm 底径：17.0×17.0cm
北京故宮博物院蔵
  簋は古代中国の食物容器で、現在の鍋や釜に相当するが、商・周時代には簋は重要な祭礼用の器であった。器形は上部は円形で下部は方形である。上部が事簋で、両側に獣の頭を飾った把手が付き、把手には耳飾りのようなものが下がり、器には圏足がつく。胴部は正面と背面に等しく獣面文が飾られ、圏足には蚕の文様がめぐらされている。器の内底に「作宝彝」の三文字の鋳銘がある。下部は方形の台で内部は空洞とし、四つの側面と台上面の四隅全てに獣面文が飾られている。簋は鼎（円形の鍋形の容器で3本の足をもつ）とともに使用され、記録によると皇帝は九鼎八簋、諸侯は七鼎六簋、大夫（古代中国の官職の名）は五鼎四簋、士（大夫の下の務官）は三鼎二簋を使用した。出所：北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝