考古用語辞典 A-Words

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白釉黒掻落唐子文枕  2008年08月02日(土)更新

白釉黒掻落唐子文枕
【和:はくゆうくろかきおとしからこもんまくら
【中:Bai di hei hua ying wen zhen
宋・遼・金・元|陶磁器>白釉黒掻落唐子文枕

磁州窯
宋(9601279)
高さ:11.8cm 長さ:44.5cm 幅:20cm
北京故宮博物院蔵
  八角形の枕。枕の上面は縁が外にはみ出ており、後方に一つ穴がある。枕の上面は白地を掻き落としたあとに黒釉を施し、白地の部分で文様を表わしている。菱形に窓をとり、その中に蓮の花をかつぐ唐子の姿を表わしている。この枕は、宋代の磁州窯系の窯で焼かれたもの。磁州窯系の作品には唐子をあしらったものが多く、枚挙にいとまがないが、この作品の唐子には他にはない特徴がある。一般的に蓮花は仏教と関連するものといわれるが、宋代は禅宗が盛んで、仏教が世俗的な傾向を強めると、陶磁器の文様にもそれが反映されるようになった。仏教の文様が大衆が好む文様と結びつき、この作品のようにある一定の意味を合わせ持った庶民性豊かな図柄が生まれるに至ったのである。この作品の唐子と蓮花を結びつけた図柄は、こうした歴史を如実に物語っている。ここでは子供の姿には幸福な生活への願いが込められ、蓮花はそうした願いを理性的な高みへとひきあげる働きを意味している。このような両者の結びつきは、豊かな生活を追い求める庶民の願望を昇華させ、仏教を庶民的な精神の中にとけ込ませるのに大いに役立った。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝

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