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五彩人物文盤 2008年08月03日(日)更新
【和:ごさいじんぶつもんばん】 |
【中:Wu cai ren wu wen pan】 |
明・清|陶磁器>五彩人物文盤
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景徳鎮窯
清・康熙年間(1662ー1722)
高さ:6.1cm 径:37.8cm 底径:22.8cm
北京故宮博物院蔵
器形は口部が大きく開き、側壁は湾曲し、高台がつく。見込みに五彩で『水滸伝』に登場する6人の人物が描かれている。各人物の傍らに名前が書かれており、秦明、盧俊義、林冲、楊春、皇甫端、段景住の6人が1頭の駿馬を取り巻きながら互いに顔を見合わせている。高台内には青花で二重の円を配し、その中に楷書で「大清康熙年製」の銘がある。康熙年間に作られた五彩磁器は世に名高い。この「刀馬人J文様のある作品はとりわけ注目を集めている。「刀馬人」文様とは、歴史や物語、著名な古典文学などの中からとった戦闘、武人、物語などを表わしたもの。絵は明末の画家陳洪綬(当時人気の通俗文字に姿態を誇張した人物の挿絵を描くなどした文人画家)の技法、画風によっており、線は簡潔で力強い。こうした文様が出現する背景には二つの要因がある。一つは康熙年間の官窯製品は大多数が民間の窯で焼かれたため、民間の素朴で自由闊達な美意識を反映していることがある。二つには漢民族王朝の明が亡んで異民族が統治する清朝が成立すると、誇り高い漢民族である文人たちの心情は平静を保ち難く、清代初期には「憤気」と称する美的思想が提唱され、流行した。それが磁器の文様にも反映しており、束縛されない自由奔放な人物の姿形を通して、そのおさえ難い思想、感情を表出している。この作品は色彩鮮やかで、図柄も明快で人物の姿や形、表情も生き生きとしている。清新さにあふれた「刀馬人」磁器の優品である。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝
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