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豆彩牡丹唐草文瓶 2008年08月03日(日)更新
【和:とうさいぼたんからくさもんへい】 |
【中:Dou cai mu dan tang cao wen ping】 |
明・清|陶磁器>豆彩牡丹唐草文瓶
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景徳鎮窯
清・嘉慶年間(1796-820)
高さ:35.7cm 口径:11.5cm 底径:11.5cm
北京故宮博物院蔵
口部は直立し、頸部は短く、胴部はまっすぐで円形の高台がつく。器の外側に豆彩(釉の下に青花で文様の輪郭を描き、施釉・焼成ののち輪郭にそって色絵を施す技法)によって文様が表わされている。口縁下の周囲に芭蕉の葉の文様、肩部には如意頭の中に花文をあしらった文様がめぐらされている。胴部には如意、盤長、瓔珞などと絡み合った牡丹唐草文のほか、卍字、磬などの装飾を口からさげた蝙蝠も描かれている。裾まわりには蓮弁文、高台側面には雷文がめぐらされている。高台内は白釉がかかり、青花で6字の「大清嘉慶年製」の篆書銘が記されている。蓋はド―ム形で宝珠形の鈕(つまみ)がつき、表面に牡丹唐草、蝙蝠、如意などの文様が配されている。鈕には花弁文が描かれている。嘉慶年間の豆彩磁器には大きな特徴が二つある。一つは彩色の仕方であり、乾隆年間(1736~1795)の豆彩技法の特色を受けて絵の具のなかに多くの粉彩の顔料を使っているために色が濃くなって全体に濃艶な印象を与えることである。二つ目は、文様の構成法であり、乾隆年間の豆彩のように文様は複雑に入り組んでいるが、文様を変形させたり規則性をもたせたりという工夫が見られる。これら二つの特徴からすると、この作品は乾隆年間の豆彩にくらべ文様が説明的になり、文様が密集して細部にやや乱れが生じており、色調は濃艶であるがやや生気に乏しい。嘉慶年間に至ると芸術性の高い陶磁器の生産は盛期を過ぎる感があるが、そうした嘉慶年間の豆彩の中では、この作品は優品といえる。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝
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