屈輪葵花形合子  2008年08月05日（火）更新

清（1644ー1911）・中期
木製・漆塗
通高：12.0cm 口径：31.7cm
北京故宮物院蔵
　屈輪（中国では剔犀という）は漆工芸の一つで、数色の漆を交互に塗り重ねて一定の厚さにし、文様を彫り表わしたもので、ふつう雲文が彫られる。この合子は8弁の葵花形で底に同じ葵花形の圏足（脚部）がある。全面に如意形の雲文が彫られ、表面には黒漆が塗られているが、文様の彫刻面には7層の朱漆の線が整然とあらわれている。この合子は文様が規則的に反復しながら複雑に入り組む面白さがあり、彫りも流暢で滞るところがない。清代中期における屈輪漆器の優品である。出所：北京・故宮博物院名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝