考古用語辞典 A-Words

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莫高窟第二七六窟南壁  2008年09月16日(火)更新

莫高窟第二七六窟南壁
【和:ばっこうくつだい二七六くつみなみへき
【中:Mo gao ku di 276 ku nan ku
隋・唐・五代|彫刻・書画>莫高窟第二七六窟南壁

仏説法図部分[弟子と菩薩](模写 王占鏊)
紙本着色
縦216.2 横144.7

  隋時代は短時日の内に、七〇窟近い石窟が開鑿されたが、その側壁画の主要な主題として仏を本尊とし、菩薩や弟子を伴う多種多様な仏説法図が模索され、次代初唐期に開花する大構図仏説法図の基礎を築いた。本図は、第二六七窟南壁の仏説法図の部分模写である。
第二七六窟は、隋代では最末期、あるいは初唐代に入っての造営と考えられ、西壁の仏龕南北側壁に文殊菩薩、維摩居士を描いて維摩詰経変を表し、南・北壁には相対して説法図を描いているが、これらは隋代絵画としてはとりわけ異彩を放つ独自の優れた画法を示しており注目される。南壁には、白下地の壁面一杯に異例なほど大幅の五尊形式仏説法図を描くが、東側二尊の損傷が著しいのが情しまれる。中尊は須彌座上に坐し、頭上には円天蓋がかかり、中尊の向かって右には老相の比丘がいて仏十大弟子の内の迦葉(正しくは摩訶迦葉)に比定される。
菩薩は右手に柳枝、左手に水瓶を持ち、宝冠正面に化仏を戴くことより、観音菩薩と考えられる。おそらく中尊の向かって左には、若い比丘阿難、そして勢至菩薩が、左右対称的に配され、阿弥陀五尊の樹下説法図と想定される。
隋代の仏説法図は、 一仏二菩薩の三尊形式、 一仏四菩薩の五尊形式から始まり、そして塑像では隋代早期から見られる一仏二比丘二菩薩構成で比丘を迦葉・阿難とする五尊形式が壁画においても定着していく。そしてこれまでのいわゆる西域式でも中原式でもない新しい、そして以後長らく仏教尊像表現の古典様式となる隋唐様式で描き出される。しかし菩薩が上半身に僧祇支を着けるところなどは隋代に一般の古様さを残す。
特に本図では等身大に近い像容に豊かな表情が付与されて、観る者が仏の説法を共に聴聞するかのような臨場感が感じられる。とりわけ本図では、暢達した上紅色の描線で、堂々とした風格のある体躯や細やかな指先の動き、端然とした着衣の細部までをも袖き出し、線描中心主義を明確に示すところに隋代画としては希有な優れた特色が指摘できよう。また、画面隅に添えられた、山崖、樹木描写も隋代山水表現を垣間見せてくれる貴重な作例である。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念

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