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莫高窟第三二〇窟南壁 2008年09月17日(水)更新
【和:ばっこうくつだい三二〇くつみなみへき】 |
【中:Mo gao ku di 320 ku nan bi】 |
隋・唐・五代|彫刻・書画>莫高窟第三二〇窟南壁 |
阿弥陀浄土変相図部分
「飛天」(模写 趙俊栄)
紙本着色
縦66.0 横151.7
盛唐
第三二〇窟の主室は西壁に仏龕一基を設け、南壁に阿弥陀浄土変相(本図)とそのまわりに千仏、北側に観経変相を表わす。
本図は南壁にある阿弥陀浄土変相の上部、すなわち飛人が天蓋のまわりで散華供養を行う場面を模写したものである。その構成は中央に天蓋を、その左右両側に飛天四体を、さらにその背後に双樹を配置する。天蓋は雨傘状で、その外側を一面ずつ三色に塗り分ける。さらに、そのまわりに火炎宝珠をつけ、垂飾を施し、羅網をかける。飛天は左右各一体が上体をねじって振り返り、ほかの一体がそれを追いかけるかのように虚空を上昇する。飛天の天衣が長くたなびき、躍動感を強制する。そのほか、左右間側下部に巻属の頭部各三つがみえる。
南壁の阿弥陀浄土変相の主要部のうち、仏の左右両側にいる巻属の頭部のあたり二ヵ所が、 一九二四年アメリカ人ウォーナーによって剥離される。これらの壁画断片は現在アメリカのフォッグ美術館に収められている。
南壁の阿弥陀浄土変相は、北壁の観経変相と異なり、未生怨図や十六観図を外縁に配置していないこと、またその構成も従来の仏説法図の流れをくむことが特徴としてあげられる。なお、最近、南壁の主題を阿弥陀浄土変相でなく、釈迦説法図とする学説も出されている。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念
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