考古用語辞典 A-Words

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莫高窟第三二一窟東壁北側  2008年09月18日(木)更新

莫高窟第三二一窟東壁北側
【和:ばっこうくつだい三二一くつひがしへききたがわ
【中:Mo gao ku di 321 ku dong bi bei ce
隋・唐・五代|彫刻・書画>莫高窟第三二一窟東壁北側

十一面観音像(模写 邵宏江)
泥本着色(三分割)
縦233.0 横191.0
初唐
  本図は十一図観音を主尊とする説法図の模写である。その構成は中央に十一面観音、その左右両側に脇侍菩薩、肯後に双樹、頭上に天蓋を、菩薩の足元に迦陵頻伽(かりょうびんが)ニ体を配置する。十一面観音を説く経は本来『法華経』善門品の「あらゆる方角を向いた」という記述を具体化したもので、最初の漢訳経典は北周の耶舎崛多訳『仏説十一面観世音神呪経』で、唐代に阿地瞿多(『十一面観世音神呪経』六五四年)、玄奘(『十一面神呪心経』六五六年)によって改訳されて、広く普及した。それらには我が国でもふつうに見るような二臂の姿が描かれている。八世紀半ばの不空訳経に至って四臂の姿に展開するが、本像のような六臂の十一面観音は経軌に見えない。頭部に化仏を戴く。腕は六臂あり、右側の第二臂に水瓶を、左側の第二臂に柳一枝をもつ。蓮華座の上に直立する。向かって左側の菩薩は正面を向き、右手を胸の前に差し出し、左手は下ろし、布帛を軽くつかむ。体躯はゆるやかなS字の動勢をなし、蓮華座の上に立つ。 一方、向かって右側の菩薩は十一面観音の方向を向き、両手を胸の前にあげる。やはり体躯はS字の動静ををなし、蓮華座の上に立つ。双樹はそれぞれ天蓋の方向に向かって幹をのばす。その葉は銀杏を重ねた形に表わしており、南北朝時代以来の樹木の表現方法を受け継いでいる。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念

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