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莫高窟第一〇三窟南壁西端 2008年09月20日(土)更新
【和:ばっこうくつだい一〇三くつみなみへきせいたん】 |
【中:Mo gao ku di 103 ku nan bi xi duan】 |
隋・唐・五代|彫刻・書画>莫高窟第一〇三窟南壁西端 |
法華経変相図部分
[化城喩品(模写 樊興剛)
泥本着色
縦102.0 横103.0
盛唐
本図は、盛唐も開元年間(七一三―七四一)末頃まで降った第一〇三窟南壁西側法華経変相〈化城喩品〉の画面で、主題も風景表現も第二一七窟のそれとよく似通っている。しかし様式的には、 一層の新様と円熟化が進んでいると言えよう。
〈化城喩品〉は、南壁西側の下から上まで縦長の画面に描かれ、おそらく下から相当な数の場面を順次上昇的に配していたようである。残念ながら下半分は剥落が激しく、図柄が明瞭なのは、この模本部分だけで、右上に導師が化作した中央に塔廟のある西域風城市、右は滝の落ちる水辺で休息し、疲れを癒す珍宝捜しの旅人たち、そして最上部は再び旅を続ける一行が表されている。
第二一七窟図に比べ、各場面の独立性が強く、人物と山水景の比率などに、より自然な表現がみられると同時に、深い空間表現が指向されている。第二一七窟で見られた山水表現の基本パターン、すなわち屹立対峙する懸崖高峯の間に深い渓谷をつくり、その上部にはるか遠山の山並を望むという構図法をさらに進展させており、特に右の滝の落ちる水辺の景は、中国の山水画法の一つ三遠法の″深遠″的な画法を押し進めたものである。また稜線沿いに小樹を連ねたり、懸崖に蔦葛を垂らすといった表現が一層定型化すると共に、さらに出々の墨の稜線や山崖の露出した岩肌の輸郭などすべてを墨線で描き起こしているのも第二一七窟図との相違点にあげられよう。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念
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