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菩薩立像(2) 2008年09月23日(火)更新
塑造彩色
高39.0
北魏
塑上を雌型に入れて型抜きした浮彫り風の塑像、いわゆる影塑である。頭光も本体と共に型抜きされている。絡腋をかけ、裙をつけ、左手は胸前において蓮蕾を持ち、右手は右膝辺に垂下する。卵形の顔口にほのかな笑みをたたえ、腰を左にひねった細みの一肢体がのびやかである。莫高窟の北魏時代五世紀後・半の塑像の作風を示しているが、第二五四窟前室北壁の菩薩交脚像龕内にこれとよく似た影塑の苦薩立像が残っており、同行内のものであった可能性がある。
この像も藁苆入りの荒上、麻苆入りの中土、細かい仕上土からなり、その造り方としては、雌型に沿ってまず中土を入れ、次に荒土を詰めて型から抜き、表面に薄く仕上土をかけ、さらに衣文線などを陰刻したものであろう。やや前傾する光背の裏面は項荒土の上に弁柄彩があり、体部以下の裏面は接着剤の上に藁苆入りの壁体表層が附若している。表面は弁柄塗りの上に白土地の彩色が施されている。いま剥落が多いが、絡腋に朱、右腋下と裙に群青、蓮蕾に緑青が残る。頭光の輪廓に沿って一線が刻されている。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念
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