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阿形力士頭部 2008年09月24日(水)更新
塑造彩色
高12.0
盛唐
眉を吊り上げ、目を大きく見開いていからせる阿形の力士頭部である。いま後頭部と左耳を失うが、もとは丸彫り風の像である。眉や鼻、口などの左右の均衡を破った怒りの表現に迫力がある。莫高窟では盛唐後期の第一九四窟西壁の龕外壇上に金剛力士像の遺例があるが、その整った表現にくらべると、この頭部は瞋目の表現その他に自由な点があり、盛唐前期の作と見てよかろう。表面は肉身部に淡紅色、髪は墨塗り、眉とひげを墨描きし、上瞼の線に沿って墨線を引く。唇や口中は朱彩である。冠帯上地髪部正面に大があるのは飾りをつけていた痕であろう。後頭部破断面には中心縦に面取りした木心の痕があり、これに塑土を三層につけているのは図版53の菩薩頭部と同様である。なおいま表而に細かい粒々が一面にあるのは、塑土中に含まれた塩分が滲み出て結晶したものである所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念
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